帯状疱疹とは、水痘帯状疱疹ウイルスによっておこる感染症です。
水痘帯状疱疹ウイルスにかかると、最初は、水痘(みずぼうそう)になります。ほとんどは子供の頃感染し一度治ります。しかし、ウイルスは体内(神経節)に潜んでいて、長い年月を経て、過労やストレスで免疫力が低下するとウィルスが再び活性化して、帯状疱疹を発症します。(日本人成人の90%以上にこのウィルスが体内に潜伏していて、帯状疱疹を発症する可能性があります。)
症状は、身体の左右どちらかの神経に沿って赤みや水疱(水ぶくれ)のある発疹が、まとまって帯状に現れます。体のどこにでもできますが、顔や胸、腹、背中に出やすいです。
痛みを伴うことが多く、眠れないくらい強い痛みになることもあります。
顔の帯状疱疹の場合、目の病気をおこし、視力が低下したり、顔面神経麻痺、難聴などを引きおこしたりすることがあります。
通常、3週間程で発疹がなくなり、その後、痛みもなくなります。
しかし、1か月以上も痛みが続くことがあり、3か月以上続く場合、帯状疱疹後神経痛(PNH)と言います。刺すような痛み、焼けるような痛み、針で刺すような痛みなど、痛みの程度は様々です。これは神経が損傷を受けたことによる痛みで、治りにくく、長く苦しめられる方がいます。お年寄りほど残りやすく、約2割の方が帯状疱疹後神経痛に移行すると言われています。
帯状疱疹はワクチンで予防できます。2020年に帯状疱疹ウィルスを予防するためのワクチンが日本でも新たに認可されました。シングリックス(グラクソスミスクライン社製)というワクチンで、これまで使用していた水痘ワクチン(水ぼうそうの生ワクチン)と比べて非常に高い予防効果を持ち、世界的には主流となりつつあるワクチンです。
シングリックスの帯状疱疹に対する予防効果は50 歳以上の方で約 97%、 70 歳以上の方で約90% と報告されており、 水痘ワクチンよりも有効性が高いと考えられます。効果の持続期間は今のところ10年は持続すると考えられており、水痘ワクチンでは禁忌であった免疫機能が低下している方でも接種可能です。また、水痘ワクチンは生ワクチンのため、他のワクチンを接種する場合は、4週間以上あける必要がありますが、シングリックスは不活化ワクチンのため、医師が認める場合すぐに次のワクチンの接種が可能です。
主な副反応は、注射をした部分の局所反応(痛み、赤み、腫れなど)がほとんどです。極めて稀に、発疹、アナフィラキシー(じんましん、呼吸困難、口唇のまわりの腫れなど)がみられることがあります。
対象は50歳以上の方で、費用は1回25000円で2か月間隔で2回接種が必要です。
帯状疱疹ワクチンは予約制となります。まずは電話、メール、直接診察にて御相談下さい。