新しい便秘薬(ルビプロストン:アミティーザ)

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2012年11月に約32年ぶりに、新しい便秘症治療薬としてルビプロストン(商品名アミティーザ:発売元アボットジャパン)が発売されました。 従来便秘症には緩下剤である酸化マグネシウムや、大腸刺激性下剤であるセンノシドやセンナが多く使用されてきました。しかし、酸化マグネシウムは腎機能障害や心機能障害を持つ患者さんには慎重に投与する必要があり、他の薬剤(抗生物質・骨粗鬆症薬など)の効果を減弱させる可能性があります。またセンノシドやセンナは比較的服用しやすく速やかに良好な結果を示すため患者さんに好まれていますが、長期連用により耐性、習慣性を生じる可能性があります。

ルビプロストンは、小腸粘膜上皮細胞に存在するタイプ-2 クロライドイオンチャネル(ClC-2)に作用することで、腸管内への水分の分泌を促進し、便を軟らかくして排便を促す、まったく新しい機序の便秘の治療薬です。従来から便秘の治療に使われている酸化マグネシウムが大腸内の浸透圧を高めて体内から水分を引き出し、便を軟らかくして排便を促すのと似ていますが、ルビプロストンが小腸に働くのに対して酸化マグネシウムは大腸に主に働く点が異なり、下痢にはなりにくく自然な排便になるのが特徴です。

国内での重度の慢性便秘症の方(自発排便回数が1週間に平均3 回未満の状態が6カ月以上持続し、器質性や二次性の便秘を除外した方)を対象に行った治験では、排便回数をほぼ毎日に改善することが示れました。さらに約1年間の長期第3相臨床試験では、長期間の投与で効果が減弱せず、薬剤に対する耐性が生じにくいことが確認されています。

さらにルビプロストンには、便の硬さを理想的な状態にするという特徴もあります。ブリストル便形状スケールによる7 段階で評価したところ、同薬の長期投与により、便の硬さが理想的な4にほぼ近い、3.7~3.9を維持することが確認されています。

使用に際しては、消化管閉塞などを示唆する症状がないかを事前に確認する必要があります。主な副作用として、下痢(30%)や嘔気や悪心(23%)が多いようですが、重度の事象は少なく、症状に応じて適宜減量・休薬を行うことで対処が可能とされています。

ルビプロストンは薬価が高い(1錠156.6円)ため、既存の便秘薬(酸化マグネシウムは1錠5.6円)を使ってみた上で、十分な効果が得られない方に使用するのがよいと思います。実際に市販薬を含めて従来薬でも改善しなかった慢性便秘症の方にも効果が認められています。

アミティーザは慢性便秘症患者さんの治療選択肢が増え、生活の質の向上に期待できそうです。 当院でも2014年1月から処方を開始しましたが、まずまずの効果です。そして、4月からは長期処方が解禁されました。便秘でお悩みの方は遠慮せずご来院下さい。

当院は茨城県で便秘の専門的治療が可能な施設として紹介されています便秘の専門的治療を行う施設

 

 

 

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